音の正体は波(振動)です。だから音はまず、振動を起こすもの(音源)が必要です。そして、その振動を伝えるものが必要です。音波という言葉を聞いたことがありますよね。空気中の分子を次々に揺らして伝わっていく波です。この波が人間の耳の鼓膜を揺らすと人間はそれを音として感知します。そして音を伝えるものは空気などの気体であったり、水などの液体であったり、金属などの固体であったりします。つまり、伝えるものがない真空では音は伝わらないのです。

糸電話
音波

皆さんは糸電話を作ったことがありますか?紙コップの底に糸をセロハンテープで貼り付けるだけで完成します。
この糸はタコ糸でも普通の糸でも構いません。この実験が済んだら、糸の代わりにエナメル線やゴムで試してみてください。

空気中だと遠くに行くと聞こえなくなってきますが、糸電話ならばきれいに聞こえます。ただし、ピンと張った状態でないと聞こえません。ピンと張っていないと振動が伝わらないからです。
糸、エナメル線、ゴムでの聞こえ方の違いはわかりましたか?
糸よりもエナメル線の方がよく聞こえます。またゴムだと声の振動にゴムの揺れが加わるため、エコーがかかっているように聞こえます。

音の3要素

私たちの耳に聞こえてくる音は様々です。とても気持ちの良い美しいと感じる音や、太鼓の大きな音、蚊のブーンという音、工事現場のうるさいと感じる音など、いろいろな音がありますが、これらはどれも音の波です。しかし、同じ波なのに何が違うのでしょうか。
音の3要素として、①音の大きさ(強さ)、②音の高さ、③音色 があります。これらはすべて波の周波数(振動数)、波長、振幅、波形が関係しています。
次のユーチューブ動画がわかりやすく解説していますので、これをご覧ください。

救急車が近づいてくるとサイレンの音が高く聞こえるのはなぜ?

この現象は高校生の物理で学習するドップラー効果が起こるからです。
ドップラー効果とは、音波電磁波など)の発生源(音源・光源など)と観測者との相対的な速度の存在によって、波の周波数が異なって観測される現象をいう。発生源が近付く場合には、波の振動が詰められて周波数が高くなり、逆に遠ざかる場合は振動が伸ばされて低くなる。
有名な例としては、救急車が通り過ぎる際、近付くときにはサイレンの音が高く聞こえ、遠ざかる時には低く聞こえる。(Wikipediaより)

近づいてくる救急車のサイレンの音が高く聞こえるのはなぜかわかりますか?
サイレンの音が出た瞬間から救急車はこちらに向かって動いてくるので、救急車の移動分だけ、その音の波は縮まってきます。言い換えると、周波数が高くなる(波長が短くなる)ことがわかります。だから音が高くなります。逆に遠ざかっていくときは周波数が低くなる(波長が長くなる)ので、音が低く聞こえることになります。