誰でもが一回は疑問に思ったことがあるのではないでしょうか?
私もその一人でした。原理は何となくわかったものの、クレーンはかなり重いだろうに、よく持ち上げられるなということは十分理解できませんでした。ここではその点の解決もしてみたいと思います。

まずは「東京スカイツリーが634mになるまで」のユーチューブ動画がありましたので、これを見てください。何か感激しませんか。

タワークレーンのクライミング方式と解体の仕方

上る(クライミング)ときは尺取り虫のように、頭を固定して足を持ち上げ、次に足を固定して頭を持ち上げるという方法ですね。しかし、上る柱がないと上には行けませんね。この柱をマストと言って、このマストを継ぎ足してはどんどん高く上がっていくんですね。作業が終わったら、今度はクレーンをどのように下に下ろすのでしょうか。この説明もユーチューブ動画でご覧ください。

タワークレーンの組み立て

このユーチューブ動画をみると組み立ての仕方と上っていく様子がわかります。しかし持ち上げるにも大きな力が必要だと思うけれど、その力はどこから作られているのだろうか。クレーンが上っていくときに注射器のようなもので押し上げているのがわかりますか?これは油圧シリンダといいます。

東京スカイツリーのタワークレーン解体の様子

油圧シリンダってすごい!

図の矢印で示したものが油圧シリンダです。
タワークレーンが上っていくときにも、この油圧シリンダが使用されていましたが、わかりましたか?
この大きな力はフランスのブレーズ・パスカルが発見したもので「パスカルの原理」として知られています。このパスカルの原理をわかりやすく放映したものが次の動画です。この動画では密封した容器(袋)の中に空気を入れて実験していますが、これを空気圧と言います。そして空気が油になったものが油圧です。
空気の場合は空気自体が圧縮されたり膨張したりしますが、油ではその問題がないため、空気圧よりも油圧の方が速く圧力を伝えることができ、力の損失もないのです。だから大きな力が必要とするものには油圧の力が利用されるんです。