力について考えよう(その3)
流体力学
について学びました

1 回転する物体の不思議
野球やサッカーなどで、ボールを投げたり蹴ったりするときにボールに回転をつけると、ボールが曲がります。何が起きているのでしょう?回転する物体と流体(空気)との間でどのような力が働いているか、考えてみました。まずは簡単な実験から。


2枚の紙の間に、ストローを使って息を吹き込むと紙は近寄りました。「空気の流れが速いところでは圧力が低くなり、遅いところでは圧力が高くなる」というベルヌーイの法則によるもので、圧力の高い方から低い方に力がはたらいています。
2個の紙コップをビニルテープでつなぎ、マグヌスカップを作りました。輪ゴムをのばして巻きつけて飛ばすと、不思議なことにカップは回転しながら戻ってきます。



マグヌス効果です。回転するコップの周りの空気の流れと前に進むことによってできている気流との作用で圧力差が生じています。みんな夢中でマグヌスカップを飛ばしていました。
2 空気の流れの不思議
空気の流れについて考えました。四角い箱の後ろに紙で作った筒をおいて、ストローで吹くと、息は箱にさえぎられ筒は倒れませんが、箱を円筒に変えると筒は簡単に倒れてしまいました。


ストローで吹きつけた息は、円筒の曲面に沿って流れ、後ろの紙の筒にあたって吹き飛ばしました。空気や液体などの流体が曲面をもった物体の表面を流れるとき、流体はその表面から離れることなく、曲がった形状に沿って流れ続ける性質があります。これをコアンダ効果と呼びます。


コアンダ効果でこんなことが起こります。ピアノ線をとおしたピンポン玉に空気を吹き付けます。ドライヤーをゆっくり動かすと....どうなるか予測してから実験してみました。

ピンポン玉に下からドライヤーの風をあてると、空中にピンポン玉が浮かんで止まります。ドライヤーを傾けると斜めの位置で止まって、ふしぎなことに落ちません。

コアンダ効果は飛行機の翼やヘリコプターの羽などいろいろなところで利用されていますね。


3 空気抵抗の不思議
ベルヌーイの法則とマグヌス効果、コアンダ効果、流体にかかわる法則や現象を学びました。次に、流体から受ける抵抗について考えます。紙の皿と風船があります。別々に落とした場合、皿の上に風船をのせて落とした場合、どうなるでしょうか。予測してから実験してみました。


アルミのカップでも試しました。2枚のアルミカップを重なるように落とすと上のアルミカップは、下のカップに引き寄せられるようにして落ち、最後は重なって落下していきます。

ベルヌーイの法則、マグヌス効果、コアンダ効果、そして空気抵抗(流体抵抗)、流体によって働く力について学びました。もし空気がなければ、どんなことがおこるでしょうか。
空気抵抗がなくなる→自転車や自動車は効率よく速く動くことができるがパラシュートは使えない。
マグヌス効果が起こらない→変化球を投げられない。
コアンダ効果が起こらない→揚力が生じない。飛行機、ヘリコプターなどは飛べない。空気と物体の動きについて思考が膨らみますね。